BLOG

ブログ

防災シェルターとは?種類・用途・選び方を初心者向けに解説【2026年7月】

PR この記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。

「防災シェルターって、映画に出てくるような大げさなものでしょ?」——そう思っていませんか?

実は、日本でも一般家庭に設置できる防災シェルターが増えています。地下に埋めるタイプだけでなく、部屋の中に置くだけの「室内シェルター」や、庭に設置するコンテナ型など、種類も価格帯もさまざまです。

この記事では、防災シェルターの基本から種類ごとの特徴・費用・選び方まで、初めての方にもわかりやすく解説します。「うちにも必要なのかな?」と気になっている方は、まずこの記事で全体像をつかんでみてください。

ニゲコム編集部執筆・監修

防災情報メディア

防災シェルター専門メディア「ニゲコム」では、国内外のシェルター製品・施工事例を調査し、一般家庭向けの情報を中立的な立場でお届けしています。

この記事の要点

  • 防災シェルターは大きく4種類:地下型・室内型・コンテナ型・耐震ベッド型
  • 価格帯は20万円〜2,000万円以上と幅広い。室内型なら数十万円台から
  • 目的で選ぶ:地震なら耐震シェルター、台風・水害なら地上型、核・有事なら地下型
  • マンション住まいでも設置できるのは室内型・耐震ベッド型
  • 補助金が使える自治体もある(耐震シェルター補助:最大30万円前後)

防災シェルターとは?

防災シェルターとは、地震・台風・水害・竜巻・有事(武力攻撃)などの脅威から人命を守るための構造物です。

海外ではアメリカの竜巻シェルターやスイスの核シェルター(人口の100%以上をカバー)が有名ですが、日本のシェルター普及率は人口の0.02%と極めて低いのが現状です。

しかし近年、以下の背景から日本でもシェルターへの関心が急速に高まっています。

  • 自然災害の激甚化:毎年のように「過去最大級」の台風・豪雨が発生
  • 地震リスク:南海トラフ地震の30年以内発生確率は70〜80%(政府地震調査委員会)
  • 国際情勢:北朝鮮のミサイル発射、台湾海峡の緊張など、有事リスクの顕在化
  • 政府の動き:2023年以降、シェルター整備に関する国会議論が活発化

「シェルター=富裕層のもの」というイメージは過去のもの。今は一般家庭でも手が届く選択肢が増えています。

防災シェルターの種類は4つ|特徴を比較

防災シェルターは設置場所と構造によって大きく4つのタイプに分かれます。

タイプ 設置場所 価格帯 対応できる災害 工事
① 地下型 庭・敷地の地下 500万〜2,000万円以上 地震・台風・竜巻・核・有事 大規模(掘削工事)
② 室内型 家の中の一室 20万〜300万円 地震(倒壊から保護) 小〜中規模(組立・搬入)
③ コンテナ型 庭・駐車場 300万〜1,000万円 地震・台風・竜巻 中規模(搬入・設置)
④ 耐震ベッド型 寝室 20万〜50万円 地震(就寝中の倒壊から保護) 組立のみ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

① 地下型シェルター|最も防護力が高い「本格派」

地面の下に埋設する、最も防護力の高いタイプです。海外では核シェルターとして広く普及しています。

メリット

  • あらゆる災害に対応(地震・台風・核・有事)
  • 外気から遮断できる(放射性物質・化学物質を防ぐ空気ろ過装置を搭載可能)
  • 長期間の滞在が可能(電力・水・食料の備蓄スペースあり)

デメリット

  • 費用が高い(500万円〜。空気ろ過装置込みで1,000万円超も)
  • 掘削工事が必要(工期:1〜3か月)
  • マンション・土地が狭い家には不向き
  • 浸水リスクのある地域は排水設備が追加で必要

② 室内型シェルター|家の中に設置する「手軽な耐震空間」

既存の住宅の中に、鉄骨やパネルで組み立てた強固な「箱」を設置するタイプです。地震で建物が倒壊しても、シェルターの中にいれば安全な空間が確保できます。

メリット

  • 費用が比較的安い(20万〜300万円)
  • 工事が小規模(半日〜数日で設置可能な製品もあり)
  • マンションでも設置できる
  • 自治体の補助金対象になることが多い

デメリット

  • 対応できるのは地震(倒壊)がメイン
  • 部屋のスペースを使う(4.5畳〜6畳分が一般的)
  • 浸水・台風の暴風には対応しきれない

③ コンテナ型シェルター|庭に置く「多目的防災空間」

海上コンテナをベースに、耐震・防風・防水性能を強化したシェルターです。平常時は倉庫・趣味部屋・ワークスペースとして使い、災害時にシェルターとして機能する「二刀流」の使い方が人気です。

メリット

  • 地震・台風・竜巻に対応
  • 普段使いできる(倉庫・書斎・子どもの遊び部屋)
  • 掘削工事不要(地上に設置)
  • 移設が可能(引っ越し時に持っていける)

デメリット

  • 設置スペースが必要(駐車場1台分〜)
  • 核・有事の空気ろ過には対応していないものが多い
  • 建築確認申請が必要な場合がある

④ 耐震ベッド型|最も手軽な「寝室の安全地帯」

ベッドの上に鉄骨フレームを設置し、就寝中の地震で天井や壁が崩れてきても安全な空間を確保するタイプです。高齢者の多い自治体で補助金の対象になっていることが多い製品です。

メリット

  • 最も安い(20万〜50万円)
  • 工事不要(組立のみ)
  • マンション・アパートでも設置可能
  • 普段はベッドとして使える

デメリット

  • 守れるのはベッドの上にいる1〜2人のみ
  • 就寝時以外は効果がない
  • 台風・水害・有事には対応しない

目的別|あなたに合ったシェルターの選び方

「シェルターが欲しい」と思ったとき、まず考えるべきは「何から身を守りたいのか」です。目的によって選ぶべきタイプが変わります。

選び方フローチャート

ニゲコム編集部執筆・監修

防災情報メディア

 → 地震(倒壊)が最優先   → 予算が100万円以上ある → ② 室内型シェルター   → 50万円以内で抑えたい → ④ 耐震ベッド型

選び方のチェックポイント5つ

守りたい災害の種類

地震だけなら室内型で十分。核・有事まで含めるなら地下型。目的をまず明確にする

設置スペース

地下型は庭が必須。コンテナ型は駐車場1台分。室内型は4.5畳〜。耐震ベッド型はベッド1台分

予算

20万円台〜2,000万円超と幅広い。補助金を使えば実質負担を抑えられる自治体もある

収容人数

家族何人を守るのか。耐震ベッド型は1〜2人、室内型は2〜6人、地下型は4〜10人以上

性能認定・実績

防衛省・自治体の認定品か。耐震等級・耐風圧性能・空気ろ過のスペックを確認する

防災シェルターの費用相場|タイプ別まとめ

費用は「シェルター本体 + 設置工事費 + オプション装備」の合計で考える必要があります。

タイプ 本体価格 工事費 総額目安
地下型 300万〜1,500万円 200万〜500万円 500万〜2,000万円以上
室内型 20万〜250万円 0〜50万円 20万〜300万円
コンテナ型 200万〜800万円 50万〜200万円 300万〜1,000万円
耐震ベッド型 20万〜50万円 0円(組立のみ) 20万〜50万円

具体的な価格やメーカーごとの費用比較は防災シェルターの価格相場まとめ【地下・室内・コンテナ別】で詳しく解説しています。

防災シェルターに使える補助金・助成金

自治体によっては、耐震シェルター・耐震ベッドの設置費用に補助金を出しているところがあります。

補助金の一般的な条件

  • 対象:旧耐震基準(1981年5月以前)の木造住宅に住んでいること
  • 補助額:設置費用の1/2〜全額(上限20万〜30万円が一般的)
  • 対象製品:自治体が認定した耐震シェルター・耐震ベッド
  • 申請先:お住まいの市区町村の防災課・住宅課

確認方法

「(お住まいの市区町村名) 耐震シェルター 補助金」で検索するか、市区町村の窓口に直接問い合わせるのが確実です。補助金は年度ごとの予算があるため、早めの申請がおすすめです。

日本と海外のシェルター事情を比較

日本のシェルター普及率の低さは、海外と比べると際立っています。

シェルター普及率 背景
スイス 100%以上 法律で新築住宅にシェルター設置を義務化
イスラエル 100% 安全保障上の理由で全住宅に設置義務
アメリカ 82% 竜巻シェルター(トルネードセラー)が中西部で一般的
韓国 300%以上 地下鉄駅・大型ビル地下を避難所に指定(北朝鮮リスク)
日本 0.02% 法律上の義務なし・「自分には必要ない」という意識が根強い

この差は、制度と文化の違いによるものです。日本では「公的避難所に逃げる」という前提が強いですが、南海トラフ地震のような広域災害では避難所に全員が入りきれないことが想定されています。「自助」の手段としてシェルターを持つ選択肢は、今後ますます重要になるでしょう。

防災シェルターを検討する際の注意点

注意① 悪質業者に注意する

シェルター需要の高まりに便乗した悪質業者が増えています。実績のないメーカー・極端に安い見積もり・「今すぐ契約しないと間に合わない」と急がせる業者には注意してください。複数社から見積もりを取り、実際の施工実績を確認することが大切です。

注意② 建築基準法・固定資産税を確認する

地下型やコンテナ型のシェルターは、建築確認申請が必要な場合があります。また、固定資産税の対象になるケースもあります。購入前に自治体の建築指導課に確認しましょう。

注意③ メンテナンスコストも考える

シェルターは「買ったら終わり」ではありません。空気ろ過フィルターの交換、備蓄品の入れ替え、防水処理のチェックなど、年1回程度のメンテナンスが必要です。購入時にメンテナンス費用と頻度を確認してください。

注意④ 家族全員がシェルターの使い方を知っておく

せっかくシェルターがあっても、いざというときに家族が使い方を知らなければ意味がありません。入り方・換気の仕方・備蓄品の場所を家族全員で年に1回は確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

防災シェルターは一般家庭にも本当に必要?

「必要かどうか」はお住まいの地域のリスクによります。ハザードマップで浸水・土砂災害のリスクが高い地域、旧耐震基準の木造住宅にお住まいの方は、シェルター(特に室内型・耐震ベッド型)を検討する価値があります。「万が一」に備えた保険のようなものと考えると、判断しやすくなるかもしれません。

マンションに住んでいてもシェルターは設置できる?

はい。室内型シェルター(組立式)と耐震ベッド型はマンションにも設置できます。ただし、管理組合への確認が必要な場合があります。地下型・コンテナ型は戸建て住宅の敷地が必要です。

シェルターの中にはどのくらいの時間いられる?

タイプによります。地下型は空気ろ過装置・備蓄スペースがあれば数日〜2週間の滞在が可能です。室内型・耐震ベッド型は「倒壊の瞬間を生き延びる」ためのもので、長時間の滞在には向いていません。コンテナ型は設備次第で数日間の生活が可能です。

核シェルターと防災シェルターは違うもの?

核シェルターは防災シェルターの一種です。通常の防災シェルターとの最大の違いは「空気ろ過装置(NBC対応フィルター)」の有無。核・生物・化学兵器の汚染物質を除去するフィルターが付いているかどうかで区別されます。地下型シェルターにオプションで追加できるメーカーが多いです。

シェルターを設置すると固定資産税はかかる?

ケースによります。地下型で基礎がコンクリート打設の場合は「家屋」として固定資産税の対象になる可能性があります。室内型・耐震ベッド型は「家具・設備」扱いで課税対象外が一般的です。コンテナ型はグレーゾーンで、基礎の有無や自治体の判断によります。設置前に税務課に確認するのが確実です。

中古のシェルターは買える?

市場はまだ小さいですが、コンテナ型を中心に中古販売やリースのサービスを提供するメーカーも出てきています。ただし、中古品は防水性能の劣化やフィルターの寿命に注意が必要です。メーカーの点検・保証が付いたものを選ぶのが安心です。

まとめ|まずは「自分の家のリスク」を知ることから

防災シェルターは、決して「お金持ちだけのもの」ではありません。耐震ベッド型なら20万円台から、室内型でも自治体の補助金を使えばさらに手頃に設置できます。

この記事で紹介した4タイプの特徴をおさらいします。

ニゲコム編集部執筆・監修

防災情報メディア

まずやるべきことは、自分の家がどんなリスクにさらされているかを知ることです。ハザードマップの確認は3分でできます。その結果を見てから、シェルターが必要かどうかを判断しても遅くありません。

定期確認:シェルターメーカーの新製品・補助金制度の更新・法規制の変更を半年に1度チェックしましょう。